「病棟では患者の急変が多くて精神的に辛い…」
「状態が安定している患者と深く関わった看護がしたい」
「患者の疾患より障害者看護に興味がある」
このような理由で、病棟以外の場所に転職したいと思っていませんか?
病棟で働いていても勤務形態が身体的にきつかったり、患者がステるのが精神的に辛かったり、そもそも病気への看護に興味が持てない方もいるかもしれません。
急変が少なく状態が安定している患者と、じっくり深く関わった看護をしたいとなると、施設という選択肢があります。
ひとくちに施設と言っても介護老人保健施設や特別養護老人ホーム、グループホームや小規模多機能住宅などたくさんの種類がありますよね。
その中でも、障害者看護に興味があるあなたには「障害者支援施設」の看護師はどうでしょうか?
実際に未経験で障害者支援施設への転職経験のある私が、障害者支援施設看護師の仕事内容や、1日の流れについて詳しく紹介していきます。
障害者支援施設ってどんな人が入所しているの?
障害者支援施設に入所しているのは、大きく分けて3つの障害を持った方になります。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
身体障害者
脳性麻痺などで生まれつき四肢に障害がある方、脳梗塞や交通事故などで後天的に四肢に障害を持っている方。
知的障害者
脳性麻痺や新生児仮死、交通事故などが原因で精神遅滞を持っている方。
精神障害者
統合失調症や双極性障害、うつ病を持っている方。
障害者支援施設と言っても、入所している方の障害によって介護度や求められる知識・技術が異なってきます。
「身体障害者支援施設」などと障害の区分を限定している施設もあるので、面接時にどの障害を持った方が入所しているのか確認しておくと良いでしょう。
障害者支援施設へ転職した看護師の仕事内容
施設看護師は入所者の健康管理業務、日常生活援助が主な業務となります。
- バイタルチェック
- 服薬管理
- 経管栄養
- 排便コントロール
- 軟膏塗布
- 体調不良時の対応
- 感染予防
- 病院受診の判断
- 病院受診の付き添い等
この他にも、病棟では行わないことも仕事内容に含まれます。
- 医療器具の洗浄や消毒
- オートクレーブでの滅菌
- 薬品や備品・器具の発注
- 定期健康診断の手配等
障害者支援施設では、病棟のような患者の入れ替わりはなく、基本的に入所者は変わりません。
転職する施設によってはショートステイ(短期入所)を受け入れていることもありますが、毎日同じ入所者と顔を合わせることになります。
そのため入所者との信頼関係を築くことが、重要になります。
入所者に信頼してもらえないとケアを拒否されることも…。
看護師の配置人数も病棟より少なく、1人勤務のときは介護職員から受けた相談を自分ひとりで解決したり、判断しなければなりません。
そのため、病棟勤務時と同じく疾患や薬の勉強は必要です。
しかし緊急時の判断に迷った場合は、普段から入所者との濃いコミュニケーションを取っている介護職員や嘱託医に相談することもできるので、過度に気負うこともありません。
入所者と介護職員、それぞれとまめにコミュニケーションを取り、信頼してもらえるような仕事ができれば大丈夫です。
また施設によって夜勤やオンコールの有無、看護師の配置人数、介護業務の有無等かなり違いがあります。
そのため転職を検討する際は、求人票や面接でしっかり確認して下さい。
障害者支援施設へ転職した看護師の1日の流れ【日勤の場合】
7:40 出勤、着替え
7:50 経管栄養の準備
8:00 午前の勤務開始
9:30 申し送り
11:00 お昼休憩
12:00 午後の勤務開始
17:00 勤務終了
午前の勤務開始
着替えが終わってから、経管栄養の準備をします。
準備ができたらバイタル測定、経管栄養から勤務開始となります。
申し送り
入所者の情報収集と必要時排便のケアを行い、介護職員の申し送りに参加。
空いた時間で記録を書いていきます。
お昼休憩
看護師が複数人いる場合は、交代で休憩を取ります。
1人勤務の場合は、何かあれば呼び出されることも。
午後の勤務開始
入浴日であれば、軟膏塗布やガーゼ交換などの入浴後の処置。
空いた時間に薬品や備品・器具の発注や物品補充、医療器具の洗浄や消毒を行います。
勤務終了
施設の入所者は状態が落ち着いている方が多いので、何事もなければ定時で勤務終了となります。
障害者支援施設へ転職した看護師の仕事内容と1日の流れ【どんな入所者がいるの?】まとめ
障害者支援施設はその施設によって特徴が異なっており、入所者の年齢や介護度、疾患にもばらつきがあります。
入所者の障害によっては、コミュニケーションを取って信頼関係を築くのが難しいと感じることもあるかもしれません。
そのため、あまりコミュニケーションを取るのが得意でない方は、最初は少し苦労することも…。
施設看護師は看護技術が衰えると言われがちですが、医師がいない中で入所者の健康管理をしたり状況を判断しなければならないので、総合的なアセスメント力が身に付きます。
採血や点滴も少ないながらありますし、病院受診の付き添いで最新の医療知識を得ることもできるのです。
看護師の配置人数が少なく、ひとりで状況を判断するのが怖いと感じる方もいるかもしれません。
最終的な判断は看護師がしなければなりませんが、介護職員や嘱託医とも相談できるので、必ずしも経験豊富でなくとも施設看護師になることはできます。
また障害者支援施設に入所している方の疾患の幅も広いので、どの診療科での経験も役に立ちますし、転職歴が多くても幅広い知識があると頼りにされるのです。
病棟での看護師と違い施設看護師はルーチンワークが多くなるので、目安として未経験でも1ヶ月程度で概ね独り立ちすることができます。
障害者支援施設はその施設によって入所者の年齢や介護度、疾患にもばらつきがあるため、事前に求人内容をよく確認することが大切です。
しかし、求人票だけでは入所者の疾患や介護度など、わからないことが多い…。
看護師転職サイトにも登録すれば、担当者が求人票には書いていない情報や施設の内部事情も教えてくれるので、あなたのイメージに近い障害者支援施設に転職することができるでしょう。
また必要な看護技術に自信がない場合でも、担当者が施設に確認してくれます。
そのためハローワークでの求人検索と並行して、看護師転職サイトにも登録して常に最新の求人をチェックしておきましょう。