看護師を辞めてよかった…【潜在看護師が新型コロナウイルス蔓延で思うこと】

潜在看護師が看護師を辞めてよかったと思うこと
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新型コロナウイルスが流行している中、こんな記事を書くのが不謹慎なのはわかっています。

でも潜在看護師の私が最近のニュースやTwitterを見ていて思ってしまったこと、私と同じ気持ちの看護師もいるかもしれない。

こんなことを書いてもなんの助けにもなりませんが、この気持ちをただ書きたかっただけなので、良ければお付き合い下さい。

 

看護師を辞めてよかったと思ってしまった。

2020年2月頃より、日本でも新型コロナウイルスの感染者が増えてきました。

2020年4月に緊急事態宣言が出されて、全国で外出自粛が続いている状況です。

 

しかし緊急事態宣言から2週間が経っても、感染者は増加する一方。

ニュースを見ていても「感染病床の不足」や「医療崩壊の危機」など、気持ちが暗くなるようなことばかり。

リモートワークができる職種の人は在宅勤務に切り替わってきているようですが、現場で働いている看護師はそうはいきません。

 

むしろ、医師や看護師をはじめとする医療従事者は、このような時期に休むことはできません。

看護師の仕事は3Kと言われていますが、まさに「危険」な仕事だと、いまさらながら実感させられました。

 

私は臨床を離れて数年経ちます。

以前は看護師を続けられなかった自分に、強い劣等感を抱いていました。

しかし、人間とは勝手な生き物ですね。

 

新型コロナウイルスが流行しているいま、「看護師と辞めてよかった」と心から思ってしまったからです。

 

看護師をやめてよかったと思ってしまった理由

看護師の感染のリスク

看護師をやめてよかったと思ってしまった一番の理由は、新型コロナウイルスへの感染のリスクが高すぎること。

現状の看護師は丸腰で戦場に向かう兵士と同じ

看護師は患者と接する時間が他の医療従事者より長い、と私は思っています。

そのため、新型コロナウイルスの感染リスクも非常に高いです。

 

ましてやマスクやガウン等の物資が不足している状況では、丸腰で戦場に向かう兵士と同じ

丸腰では勝てる戦も勝てないと思ってしまうのは、私だけでしょうか…?

生命の危険と引き換えにするには安すぎる給料

たかだか30万円弱ほどの給料で、自らの生命を危険にさらす…

この状況で、看護師という仕事量や仕事内容が給料と見合っていると思いますか?

 

私はとてもじゃないですが、安すぎる給料だと思ってしまいました。

看護師への差別的な言動

医療現場から看護師がいなくなれば、医療は完全に崩壊します

(もちろん、看護師以外の医療従事者がいなくても医療崩壊は起きると思います)

 

いつ自分も感染するかわからない恐怖と戦いながらも、懸命に働いている看護師。

看護師に感謝してくれている方がたくさんいることもわかっています。

しかし、一部の方は看護師に対して、差別的な言動を取っているようなのです。

 

ニュースやTwitter上で見かけた、看護師をはじめとする医療従事者への差別

みんな心に余裕がないのはわかりますが、これってとても悲しいことだと思います。

看護師だって人間です

「高い給料をもらっているのだから、危険な仕事もやって当然

「危険な仕事なのは国家資格を取るときにわかっていたのだから、現場から逃げるな

「看護師は責任感や使命感が強い人ばかりだから、潜在看護師に呼びかければ臨床に出てきてくれる」

看護師ではない方からすれば、そう感じてしまうのかもしれません。

しかし看護師は聖人君子ではありません。

看護師も人間です。

 

自分の命が大切なのはみんな同じです。

看護師だって自分の命は大切です

その気持ちを否定しないで下さい。

 

突然、感染症病棟ができるからと慣れた病棟・スタッフから移動させられる看護師。

感染への不安、新しい業務内容、慣れないスタッフ…

それがどれ程のストレスか、私には想像できません。

 

看護師だって人間です。

自分の命を守るために、退職するという選択をしてもいいと私は思うのです。

職業選択の自由は、退職することも自由であるということ。

 

潜在看護師になった理由

「潜在看護師を現場に復帰させること」これで看護師不足は解消されるとニュースで言っていました。

しかし、私のように潜在看護師になる選択をした人には、それぞれ理由があります

 

これは私の想像ですが、潜在看護師になった理由の中で「人間関係の問題」がトップに上がってくると思います。

人間関係の問題で最初につまずくのが、看護師の新人教育です。

基本的に「教えない」看護師の教育体制

看護師の教育体制は、一般企業に比べてかなり遅れている印象です。

遅れている、というより、やり方がおかしいのです。

 

本来、新人を育成するのは回り回って患者の利益になることです。

患者だけでなく、同僚の看護師にとっても仕事ができる看護師が増えれば、自分の業務の負担も軽くなる。

新人を育成することは将来的に、自分のためにも周りのためにもなること。

 

しかし新人看護師を教育する際に、そのことを意識できている看護師は少ないと私は思います。

昔ながらの新人看護師教育は、基本的には「教えない」のですから。

 

大きい病院よりも極端に少ない人数のクリニックでは、教育の意味を正しく理解し、きちんと教えてくれるところもあります。

しかし看護師自体、風通しが悪く狭い社会なので、昔ながらの教育からやり方を変えられないところが多いのです。

 

この「教育体制」によって潜在看護師になった看護師も多いと思います。

また勤務時間や夜勤の有無など、潜在看護師にならなければいけなかった理由も、いまの看護師の働き方には多すぎます。

 

潜在看護師の復帰への壁

潜在看護師の復帰への壁

潜在看護師になってしまった理由が条件的なものであった場合、その条件が解決すれば復帰できるのでは?と一般の方は思うかもしれません。

しかし、看護師の仕事はそんな簡単なものではなく、何年もブランクがあればそれだけ復帰も難しくなってしまうのです。

 

医療の世界は日進月歩。

数年経てば常識が変わったり、診療科が変わればまた一から勉強しなおしです。

看護師の教育体制の問題もあり、潜在看護師の復帰は非常にハードルが高いのです。

 

ニュースで言っていた、人工呼吸器の管理にしても同じ。

呼吸器科やICUでの経験者でなければ、潜在看護師が復帰しても新人と同じで、即戦力にはなりません

 

ただでさえ新型ウイルスの対応で忙しく人手不足な状況で、ブランクのある潜在看護師への教育にどれだけ時間をさけるでしょうか?

教育に時間も人員もさけない現状で、潜在看護師を復帰させたとしても、現場の看護師も潜在看護師もお互いためにならないと私は思ってしまうのです。

 

私の願いは、看護師が働きやすい環境になること

この新型コロナウイルスの影響で看護師の給料が仕事に見合った額に改定されたり、教育制度が変わったりして、看護師の職場環境が改善することが私の願いです。

看護師が働きやすい社会、環境。

 

それが実現することは、めぐりめぐって日本全体の利益になるのです。