あなたは「看護師として働くのが辛い」「看護師を辞めたい」「転職したい」と思っていませんか?
辛い病棟勤務を我慢しすぎて限界を超えてしまうと、今後看護師として働けなくなってしまうかもしれません。
この記事では新卒1年未満で転職した私が、病棟以外の看護師の働き方をご紹介します。
いますぐ転職を考えていない方も、病棟以外に看護師として働ける場所を知っておくと、将来の選択肢が広くなります。
病棟から転職するだけで、あなたの人生が変わるかもしれませんよ?
病棟以外の看護師の働き方
病棟以外の看護師の職場を11個+α紹介していきます。
- クリニック
- 施設
- デイサービス
- 訪問看護
- 保育園
- 企業
- 治験コーディネーター(CRC)
- 検診・健診センター
- 献血センター
- コールセンター
- ライター
- 派遣(ツアーナースなど)
クリニックの看護師
看護師が病棟からの転職を考えた時に、一番最初に出てくる選択肢は「クリニック」ですよね。
一口にクリニックと言っても、科や入院施設の有無によって細かい業務内容は異なります。
クリニックは外来診療がメインになるので、看護師の仕事は医師の診療補助が中心です。
- 問診
- バイタル測定
- 診察の介助
- 検査の説明
- 採血
- 点滴
- 注射等
クリニックは職員の人数が少ないので、患者相手の看護業務以外にも病棟では行わないような仕事もあります。
- 医療器具の洗浄や消毒
- オートクレーブでの滅菌
- 薬品や備品・器具の発注
- 診察室の清掃
- 患者の呼び出し等
夜勤の有無や拘束時間については求人票で確認できます。
面接を受ける際は、科によって繁忙期があるクリニックの場合、残業についても聞いておくと良いと思います。
クリニック看護師のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 病棟移動がないのでひとつの分野を極められる
- クリニックの受付時間が決まっているため、病棟よりは残業が少ない
- 少人数の職場が多いので人間関係が難しいことがある
- 使わない看護技術が出てくる場合もあり、技術が衰える可能性がある
施設の看護師
施設看護師は入居者の健康管理業務、日常生活援助が主な業務となります。
- バイタルチェック
- 服薬管理
- 経管栄養
- 排便コントロール
- 軟膏塗布
- 体調不良時の対応
- 病院受診の判断
- 感染予防
- 病院受診の付き添い等
施設勤務もクリニック同様、病棟では行わないことも仕事内容に含まれます。
- 医療器具の洗浄や消毒
- オートクレーブでの滅菌
- 薬品や備品・器具の発注
- 定期健康診断の手配等
また、施設には目的や役割に応じて、様々な種類があります。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅、軽費老人ホーム、ケアハウス…。
施設によって夜勤やオンコールの有無、看護師の配置人数、介護業務の有無等かなり違いがあります。
そのため、転職を検討する際は、求人票や面接でしっかり確認して下さい。
施設看護師のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 状態が落ち着いている入居者が多いため、急変が少ない
- 入居者の状態を総合的にアセスメントする必要があるので、多くの知識が必要になる
- オンコールのある施設では夜間に緊急の呼び出しがあり、肉体的に辛いことがある
- オンコールや夜勤のない施設では給料が低い
- 介護職員との人間関係が難しいことがある
- 施設での医療行為には限りがあるので、看護技術や知識が衰える可能性がある
デイサービスの看護師
デイサービスでは利用者の健康状態の確認が一番重要な業務となります。
医師がいない施設のため、運動や入浴の可否を判断する必要があるからです。
利用者によって、血糖測定やインシュリン注射、軟膏塗布や点眼、服薬の補助、爪切りや創傷の処置等を行う場合もあります。
デイサービスは利用者が自身の求めるサービスを選べるようになっているため、リハビリ特化型、食事や入浴、趣味活動メイン等そのデイサービスによって特徴があります。
転職を検討するときは、デイサービスの特徴やサービス内容を調べてから求人を探すと、あなたの求める条件に合致する可能性が高いと思います。
また、デイサービスによっては利用者の送迎を看護師もすることがあるので、注意が必要です。
デイサービス看護師のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 状態が落ち着いている利用者が多いため、急変が少ない
- サービス提供時間が決まっているので、病棟よりは残業が少ない
- 利用者の状態を総合的にアセスメントする必要があるので、多くの知識が必要になる
- 看護師が一人勤務の場合、一人で利用者の状態を判断しなければならない
- 日勤のみなので給料が低い
- 介護職員との人間関係が難しいことがある
- 使わない看護技術が出てくる場合もあり、技術が衰える可能性がある
訪問看護の看護師
訪問看護は訪問看護ステーションから利用者の自宅へ行き、主治医の指示書に基づいた医療処置を行います。
行う医療処置は利用者によって異なりますが、血糖測定やインシュリン注射、点滴、カテーテルの交換等があります。
利用者の健康状態をチェックして、記録、主治医への報告。
利用者へ健康に関するアドバイスや、終末期の場合は疼痛コントロールの処置を行うこともあります。
訪問看護の場合、地域によっては運転免許が必須の場合もあるので注意して下さい。
訪問看護師のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 状態が落ち着いている利用者が多いため、急変が少ない
- サービス提供時間が決まっているので、病棟よりは残業が少ない
- 利用者の状態を総合的にアセスメントする必要があるので、多くの知識が必要になる
- 家庭訪問時は一人で利用者の状態を判断しなければならない
- 使わない看護技術が出てくる場合もあり、技術が衰える可能性がある
保育園の看護師
保育園看護師の役割は健康管理なので、園児の健康管理だけではなく、一緒に働く保育士や調理師など職員の健康管理・衛生指導も行います。
保育中に怪我をした園児の応急手当や、体調不良の園児の看護、インフルエンザやノロウィルスなどへの感染予防のための指導も含まれています。
また、健康な園児に対して保育士のサポートとして保育補助も行います。
保育園看護師のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 元気な子どもとの関わりが多い
- 日勤のみなので給料が低い
- 保育士との人間関係が難しいことがある
- 看護技術をほぼ使わないので、技術が衰える可能性がある
企業の看護師(産業看護師)
企業看護師とは、一般企業の保健室で看護師として働くという働き方です。
- 社員の健康管理
- 社員のメンタルヘルスケア
- 健康診断の準備・結果へのフォロー
- 怪我や体調不良者の対応
- 面談結果の記録・カルテ作成
- 健康指導に関する資料の作成
基本的にはデスクワークが中心となります。
企業看護師を目指す場合、パソコンスキルやビジネスマナーを学んでおくと良いでしょう。
企業看護師(産業看護師)のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 土日祝が休みの場合がある
- 健康な人が対象なので急変がほぼない
- 看護技術をほぼ使わないので、技術が衰える可能性がある
- 求人が少ない
治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーターは、治験業務の全般をサポートします。
- 治験業務の流れ、症例管理の資料を作成
- 治験に関わる部門との連絡・調整
- 患者(被験者)の対応
- 担当医師の対応
- 治験に関係する部門への連絡・調整
- 依頼者への対応
治験コーディネーターとして働くには2つのパターンがあります。
- SMO(治験施設支援機関)に所属して、医療機関に派遣される
- 医療機関に所属して、院内の治験コーディネーターとして働く
治験コーディネーターはデスクワークも多いので、Excel、Word、PowerPointなどのPCスキルも必要となります。
治験コーディネーター(CRC)のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 土日祝が休みの場合がある
- 看護技術をほぼ使わないので、技術が衰える可能性がある
検診・健診センター
検診・健診センターは「病気がないかどうか調べる施設」なので、基本的には健康な人が対象となります。
健診バスで会社や学校まで出張するパターンと、健診センターに勤めるパターンがあります。
検診・健診センターでの看護師の役割は、問診や採血、血圧測定、診察介助、保健指導など様々です。
しかし、そのほとんどがマニュアルに沿った仕事となります。
検診・健診センターのメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 健康な人が対象なので急変がほぼない
- 日勤のみなので給料が低い傾向がある
- 少人数の職場が多いので人間関係が難しいことがある
- 使わない看護技術が出てくる場合もあり、技術が衰える可能性がある
献血センターの看護師
日本での献血事業はすべて日本赤十字社が行っているため、献血センターで働く看護師は日本赤十字社の職員となります。
そのため献血センターに就職すると、献血バスに乗ってイベント会場で働くこともあるのです。
献血センターでの看護師の主な業務内容は、この2つと献血した血液を管理するためのパソコン操作や器材管理なども行います。
- 献血前の血液検査
- 献血の採血
献血前の血液検査は少量の採血をし、血液型の事前判定とHbをチェックします。
献血には全血献血と成分献血があり、成分献血の場合は、さらに機械の操作も行います。
献血センターは健康な人が対象であり、献血はボランティアの為、接遇やマナーが大切です。
また、献血中や献血後に体調不良になってしまった方の対応も必要となります。
献血センターのメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 健康な人が対象なので急変がほぼない
- 日勤のみなので給料が低い
- 使わない看護技術が出てくる場合もあり、技術が衰える可能性がある
コールセンター
看護師資格を活かせるコールセンターもいくつかあります。
- 保険会社のコールセンター
- 医療機器メーカーのコールセンター
- 製薬会社・医薬品メーカーのコールセンター
- 健康相談を受けるコールセンター
コールセンターのメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 夜間のコールセンターを選べば給料が高い
- 電話の内容だけで対応しなければならないので、さまざまな知識とコミュニケーションスキルが必要
- 看護技術をほぼ使わないので、技術が衰える可能性がある
いまの時期だとMCナースネットに「コロナ相談窓口」などの求人がありますね。
ライター
看護師資格を活かせる仕事の中に、ライターがあります。
ライターと聞くと新聞や雑誌の編集者のイメージが強いかもしれませんが、フリー活動して記事を書くライターも。
看護師としての知識や経験があれば、看護の知識・技術の解説や看護師の仕事に関するさまざまな記事を書くことができます。
素人が医療の知識が必要な記事を書くとなると、情報を調べたり勉強して理解するのに時間がかかってしまう…。
そのため、最初から知識のある看護師に執筆を依頼したい数多くの企業が求人を出しているのです。
ライターとして活動したい方は、まずランサーズへの登録がおすすめ。
ランサーズでは自分で仕事内容や報酬を確認してから仕事を受けることができます。
まずは知識や興味のある案件を受注して実績を積むことで、ライターとしての活動の幅を広げていきましょう。
ライターのメリット・デメリット
- 在宅で仕事ができる
- 仕事量を自分で調節できる
- 専門知識が必要なライターは一般の人より単価が高い傾向がある
- 自分で仕事を取ってこなければならない
- 1記事あたりいくらという報酬になるので、給料が安定するまでに時間がかかる
- 看護技術を全く使わないので、技術が衰える可能性がある
派遣看護師
派遣は雇用形態なので、厳密には職場の種類には含まれませんが、働き方の選択肢のひとつとして挙げてみました。
派遣会社に登録して、1日単位の単発勤務、期間限定の短期勤務、直接雇用を前提とした紹介予定派遣などのお仕事を紹介してもらいます。
施設看護師、デイサービス、訪問入浴、検診・健診センター、イベントナース、ツアーナース、実習インストラクター…。
いきなり転職するのが不安な方は、単発の派遣でどのような仕事内容か確認したり、紹介予定派遣で職場の雰囲気を見てみるのも良いと思います。
派遣看護師のメリット・デメリット
- 日勤のみの職場を選べる
- 自分の条件に合わせて勤務することができる
- 残業がほぼない
- 残業があったとしてもきちんと残業代が支払われる
- 正社員ではないのでボーナスがなく、年収が下がる可能性がある
- 勤務形態によっては健康保険や年金は自分で納めなければならない
看護師資格を活かせる病棟以外の働き方11選+α【転職であなたの人生が変わる!】まとめ
ここでご紹介した職場はほんの一部なので、この他にも病棟以外で看護師が働ける職場はまだまだあります。
転職だけでなく、進学して保健師・助産師資格の取得を目指すという選択肢もあります。
臨床経験3年以上等、条件のある求人もありますし、頑張れるなら病棟経験を積むというのも今後の選択肢を増やすという点では良いと思います。
周りの人には3年は臨床経験を積まないと「技術が身に付かない」「どこにも雇ってもらえない」「ブランクができる」と言われることもあるかもしれません。
しかし、看護師を辞めたいと思うほど辛い状態であれば、今後のキャリアよりもいまのあなたの心と身体を大切にしてほしいと私は思います。
心と身体が健康であれば、看護師はいつでもすることができるからです。
臨床経験3年未満で辞めたらどこにも雇ってもらえないと思うかもしれませんが、熱意・やる気をアピールすれば雇っていただける会社は必ずあります。
看護師としての経験不足でなかなか転職先が見付からなければ、転職サイトに登録してみても良いでしょう。
私は職場を変えるだけで看護師の仕事が大好きになりました。
あなたも、病棟以外への転職で人生を変えてみませんか?